米アマゾンの日本法人アマゾンジャパンが電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」(キンドル アンリミテッド)を始めたのは8月3日のことである。米国では2014年7月に開始。すでに11カ国で展開しているアマゾンの独自サービスだ。
日本での利用料は月980円(税込み)で、開始当初から和書12万冊以上が読み放題となった。集英社やKADOKAWAは参加を見送ったが、講談社や小学館など大手出版社が参加に踏み切ったからだった。
ところが開始1週間足らずで事態は思いもかけない方向に進む。出版社に何の断りもなく、読み放題になっていた作品が一部削除された。
「なぜ一部の作品を一方的に削除したのか」。8月中旬以降、講談社はアマゾンに問い合わせるとともに、削除された作品の復活を求めた。講談社が削除されたのは十数作品。うち写真集が過半で残りは実用書だ。
9月に入っても進展はなく、「著作権料などの支払いについての契約見直しに応じなければ、1000超の講談社作品を全削除されるかもしれない」。そんな声も現場からは聞こえ始めていた。
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