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筆者に対する外務省の態度が変わり始めた 同期間・組織内の評価はどのように変わるか

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北方領土問題の解決をめざし安倍政権はロシアとの交渉に臨む。外務省を追われた筆者にも助言を求めてきた

企業でも役所でも、あるいは学校でも、競争を避けて通ることはできない。大企業や中央省庁、あるいは新聞社などでは、早いときから能力主義で競争をさせると人間関係がギクシャクして組織が弱体化してしまうので、入社15年くらいまでは、その同期は同じような扱いをする。もちろん上司からすれば、「この人間はこのあたりまでいく」ということはだいたいわかるが、そういうことはさりげなく示すだけで、露骨には口にしない。

また、大企業、役所の総合職や専門職、研究職の場合、どんなに優秀な人でも、仕事の内容に通暁するには10年はかかる。それから5年くらいして、その人の組織における能力がどの程度あるかがわかる。もっとも最近は、中央官庁のキャリア官僚でも「組織が自分を引き上げてくれる」というような単純な真理がわからない人がいる。外務省でも局長のかばん持ちで、国会議員のところに行き、局長がぺこぺこしている姿を見て、「俺が国会議員になれば外務省の局長や課長を動かして、本格的な外交ができる」と勘違いする間抜けがいる。自民党や民主党(現・民進党)では候補者を公募しているので、高学歴で面接の対応がうまいこういうやからが間違って当選してしまうこともある。

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