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日本のロシア外交は念力主義で戦略なし 職場で実践できる「中期分析」の方法⑤

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安保法制審議中の岸田外相(右)と安倍首相(左)。安保法制の成立に気を取られているのか、ロシア外交はずいぶんと雑だ。(時事)

最近の日本の対ロシア外交は、やってはいけないことを次々と重ねている。ここに安倍晋三政権の思惑がよく表れているので、少し長くなるが朝日新聞の記事を引用しておく。

〈岸田文雄外相が20日にもモスクワを訪問し、ロシアのラブロフ外相らと会談する見通しとなった。メドベージェフ首相の北方領土訪問などで日ロ関係は悪化。政府内には日本から関係改善に動くのは「時期尚早」との意見もあった。ただ、安倍晋三首相は年内のプーチン大統領訪日を実現させたい意向が強く、岸田氏訪ロでその糸口を探る考えだ。

政府関係者によると、岸田氏は23日まで滞在し、ラブロフ氏とは北方領土問題などを議論する。また、ロシアの期待に応え、「貿易経済に関する政府間委員会」も開催。日本企業の幹部も交え、シュワロフ第1副首相らとエネルギーやインフラ、医療分野などの経済協力について協議する。

岸田氏の訪ロは当初、8月末で調整していたが、メドベージェフ氏が択捉島を訪問したことで延期。ロシアは7月以降、北方領土問題で強硬な言動を繰り返し、日本はその都度、抗議や懸念を伝えてきた。政府内には「ウクライナ問題で経済制裁を続ける日本への牽制だ。領土問題を話し合える状況にない」(関係者)として、岸田氏の訪ロに慎重な意見も少なくなかった。

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