国際社会の秩序が大きく変化しつつある。その一例が、11月8日の米国大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補が民主党のヒラリー・クリントン候補(元国務長官)を破って、当選したことだ。
外務省は、7日、杉山晋輔事務次官が安倍晋三首相に「大丈夫です。ヒラリー・クリントンが逃げ切って当選します」と報告していたので、現在、大パニックに陥っている。
日本、EU(欧州連合)、オーストラリアなどの政府は、トランプに当選してほしくないと本気で思っていた。これらの諸国は、現在の国際秩序が続いたほうが国益にかなうと考えているからだ。他方、現在の国際秩序が抜本的に変化したほうがいいと考えているロシア、中国、北朝鮮、イランなどはトランプ氏の当選を歓迎している。トランプ氏は政治家としての経験がまったくない。したがって、過去の経緯や国際法に関する知識が不可欠である外交について、同氏は猛勉強をすると思う。トランプ氏が大統領に就任する来年1月20日以後、具体的にどのような外交政策を展開するかについては、本人も現時点では決めていない。
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