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死線をさまよってつかんだ「投資の本質」 半身不随のファンドマネジャー並木秀之の独白

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並木秀之 / なみき・ひでゆき●1953年生まれ。生まれつき脊髄に障害があり、子どもの頃から半身不随。大東文化大学卒業後、会計事務所勤務を経て会社設立。100社以上の破綻処理に携わる。シティバンクに17年勤め、ファンド運営を手掛ける。35歳から膀胱がん、肝臓がん、白血病など5つの病にかかり健康状態は試練が続いた。2014年、体調悪化の中で初の著書『死ぬな』の発売を急いだが、その後、復活を果たし、新会社も設立する。

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私は何度も死を間近にした。人より世の中の本質を知っているので、いろいろな社会人を相手に話をする機会がある。今回は本題に入る前に昔のことから話をさせてもらおう。

小学校1年生のころ、祖父が亡くなった。私が生まれつき半身不随だから、祖父は「一緒に連れて死にたい」と言っていたらしい。成人したって生きていけない、と思ってね。「おじいちゃんは、おまえのことを心配しながら死んでいったんだ」と周辺から聞かされて育った。

厳しい人生が待っているという自覚はあった。だからこそ、自分自身の力だけで生きていきたい。小学校低学年で、もうそういうことを意識しながら生きていた。

5年生のとき、父親が亡くなった。熊谷市(埼玉県)の職員だった父はそこそこの地位にいたが、「俺は将来、たばこ屋をやる」と話していた。おそらくそれは私のため。たばこ屋は国の規制に強く守られていたから、1回開業できれば安定した収入が得られる。それを息子に継がせれば、生きていけると。

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