民進党の代表選挙で蓮舫氏が圧勝し、日本の大政党で久しぶりに女性党首が誕生した。しかし、代表選では路線や政策をめぐる議論よりも蓮舫氏の二重国籍問題が大きな話題となり、民進党は新たなイメージ確立の機会を逃した感がある。
蓮舫氏の二重国籍問題で表面化した民進党の落ち度について、一言触れておきたい。この問題は、そもそも批判する者が自らの無知と差別意識を露呈するものでしかない。彼女が生まれたときの日本の国籍法は父系主義で、台湾人の父と日本人の母を持つ彼女は日本国籍を取れなかった。後に国籍法が両系主義に改正され、日本国籍の取得に至った。日本の国籍法が最初から男女平等であったなら、この問題はそもそも発生していなかった。昔はひどい男尊女卑があったと反省することくらいしか、この問題の教訓はない。
蓮舫氏を守るべきだった
民進党は、対立候補の陣営も含め、差別主義的な言いがかりに対して断固として反撃し、蓮舫氏を守るべきであった。排外主義的な空気を読み取って、これに迎合するように党のガバナンスがどうのこうのと声を出す政治家を見ていると、自分が何を信じているのか、そして自分に思いを託してくれる支持者が何を望んでいるのか、まったく勘違いしている政治家が民進党にはこれほど多いのかと嘆息した。蓮舫体制の発足時にこんな問題が起こると、民進党の政策決定に際して、右からの批判に右往左往するという状況が起こりうるのではないかと心配になる。
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