マルクス、エンゲルス共著による『共産党宣言』の有名な書き出しの一文に倣えばこうなるだろうか。
「一つの妖怪が再び永田町を徘徊(はいかい)し始めている。ダブル選挙(投票)という妖怪が」──
参院選が終わったばかりだというのに、ごくごく一部ではあるが永田町の中で、参院との同日選が見送られ沈静化したはずの衆議院解散・総選挙のタイミングがあれやこれやと取りざたされ始めているのだ。
『共産党宣言』に倣って「妖怪」と表現したのは「ダブル選挙(投票)」である。今回の参院選と衆院選とのダブル選挙説は昨年来、永田町の話題をさらった揚げ句、通常国会会期末、野党の内閣不信任決議案提出を受けて、安倍晋三首相の「頭の中をよぎった」ものの「シングル(参院選のみ)でも今の状況であれば自民党は勝てる。むしろ衆院の若手の足腰が弱く、ダブルの場合、足手まといになりかねない」という理由からいったん消え去った。
ここに来てまたぞろ永田町をうろつき始めた「妖怪」は衆参両院ダブル選挙ではない。衆院選と、憲法改正への賛否を問うための国民投票とのダブル投票説である。国民投票法では国会での改正発議から国民投票までは最短で60日、最長で180日と決まっている。
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