犬・猫を飼っている家庭は全国1300万世帯。これら家庭の少なからずが今、ペットの病と老いに悩んでいる。飼い主が愛犬・愛猫にできること。そして「うちの子じゃない子」のためにもできること。
親、兄弟・姉妹、配偶者、子ども。今、ペットはこうした血縁者に次ぐ「第5の家族」と呼ばれる。
博報堂生活総合研究所の調査によると、ペットを家族の一員だと思う人は全体の54.6%を占める(2014年、首都圏と阪神圏の3201人が調査対象)。
数においてもペットの存在感は大きい。15年の犬の国内飼育数は991.7万匹、猫は987.4万匹で、合計すると15歳未満人口1617万人を上回る。この超過状態は04年から一貫して続いており(図表2)、これから先も大きくは変わらない。犬か猫、あるいは両方を飼っている世帯は全国1357万に上り、4世帯に1世帯が飼い主世帯となっている。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)では、愛犬・愛猫が「うちの子」と呼ばれ、共同生活の悲喜こもごもが盛んに書き込まれている。一昔前なら「たかが犬・猫、子どもと同列に表現するとは」とひんしゅくを買ったかもしれない。しかしペットが意識のうえでも数のうえでも社会にしっかりと定着した今、飼い主たちにとって「うちの子」という表現は実に自然なことなのだ。
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