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獣医がどんどん「歯科医化」している理由 動物病院の経営はかつてほどに楽じゃない

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多くの獣医は動物が好きでこの職業を選んでいる。犬・猫たちを検査漬け・手術漬けにはしたくないのが本音だろうが…(アフロ)

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「獣医は急速に“歯科医化”しているんですよ」

首都圏の住宅地で動物病院を営む近藤友昭さん(仮名、30代)はそう苦笑する。

歯科といえば今やコンビニエンスストアを上回る6万8000軒ものクリニックが乱立し、過当競争が起こっている。これに対し、動物病院は全国1万1486軒(2015年)。だが問題は、犬・猫の飼育数が減少しているのに病院の数が増え続けていることだ。この10年間で飼育数は1割減ったが、動物病院は2割増えた。

日本の獣医は全国16大学から毎年約1000人輩出され、全国の総数は3万9000人(14年末)に上る。このうち最多を占めるのは保健所や食肉衛生検査所などに勤務する地方公務員(23%)で、次が開業医(21%)だ。だが地方公務員になるのは、“投資回収”の観点からすると決してベストな選択肢とはいえない。

獣医学部は医学部と同じ6年制だ。学費は私立大学なら6年間で約1300万円かかる。国公立大はこの3割程度と大幅に安いが、定員数が多い私立大で学ぶ学生が圧倒的に多い。理系学部だけに授業も過密で、アルバイトする時間も取りづらい。親元を離れた学生は仕送りに頼って生活することが多い。

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