高齢化問題は人間だけの話ではない。犬・猫の高齢化も深刻さを増している。本誌アンケートで「ペットの老後について不安はありますか?」との問いに対して、8割の人が「ある」と回答した。「最も不安に感じていること」を尋ねると、半数以上が「病気やケガをすること」と答えている(回答は選択式)。また、「飼い主である自分も老いて世話ができなくなること」と、自らの老いとペットの介護に不安を持つ飼い主も多い。

元気だったペットが、加齢で弱っていき介護が必要になったとき、飼い主はどんな不安に直面するのだろう。アンケート回答者の生の声から、ペットの老いの実態を見ていきたい。

糖尿病の注射とトイレの世話で目が離せない
60代の岡田さん夫婦(仮名)の元で暮らす猫のチャコ君(21歳)は5年前に糖尿病を患った。以来、朝晩2回のインスリン注射が欠かせない。高い場所に自力で上がることもできなくなった。

水飲みや食事は自分でできるチャコ君(21歳)
困ったのはトイレだ。それまでは玄関の土間に置いていたが、約15cmの段差さえも上り下りができなくなり、居間の近くに置いた排泄(はいせつ)シートを使うようになった。
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