東京経済大学教授 西垣 通氏に聞く 『ビッグデータと人工知能』を書いた

✎ 1〜 ✎ 75 ✎ 76 ✎ 77 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

人工知能(AI)開発が第3次ブームといわれるほどに沸き立っている。著者は基本的な視座から限界性を指摘する。

ビッグデータと人工知能 - 可能性と罠を見極める (中公新書)
ビッグデータと人工知能 - 可能性と罠を見極める (中公新書)(中央公論新社/219ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──ビッグデータ時代の到来、深層学習(ディープラーニング)の登場で、人間の知性を凌駕する技術的特異点(シンギュラリティ)を迎えるとの予測さえあります。

最近も、クイズのチャンピオンを破ったIBMのAIシステム「ワトソン」ががん治療法を助言したと報道されていたが、これはAIが考えたというより、いろいろなデータを検索するコンピュータシステムがうまく動いたというだけの話。とかくAIが意識を持って自ら判断しているような書き方をしている記事が多すぎる。「鉄腕アトム」がいるわけではない。

今のブームは浮ついている。AIもビッグデータも、技術自体は大いに期待が持てる。問題は方向性だ。欧米の人が述べ立てる「幻想」をまともに信じ込んで、それに追随するのは絶対にやめるべきだ。過去にも失敗しているのに、根本的なところで反省していない。

関連記事
トピックボードAD