有料会員限定

未曾有の危機だが資源の強化は続ける 初の赤字転落 三井物産の再出発宣言

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16
拡大
縮小

安永竜夫 三井物産社長

やすなが・たつお●1960年生まれ。83年東京大学工学部卒。同年三井物産入社。主にエネルギープラント畑を長く歩み、2010年に経営企画部長。13年に執行役員。15年から現職。「32人抜きの社長抜擢」が話題に。

特集「ザ・商社 次の一手」の他の記事を読む

総合商社の双璧、三井物産と三菱商事は、共に2016年3月期に初の連結最終赤字に転落する。資源関連で巨額損失を余儀なくされたためだ。とりわけ三井物産は資源事業への依存度が高く、非資源事業の強化が急務だ。苦境からの反攻作戦をどう考えるか、安永竜夫社長を直撃した。

──赤字見通しを発表した3月の会見では、危機感を強調しました。

三井物産にとっては未曾有の危機だと感じている。業績予想の下方修正を発表すると同時に、社内には「今までのビジネスモデルに安住していたままでは将来はない」というメッセージを発した。

確かに以前より自己資本は厚くなっているし、17年3月期も3500億円前後のキャッシュフローは出てくると予想している。しかし、原油価格の回復に時間がかかる中で、業績の急回復は見込めない。そんな前提で、今後の計画を作っていかなければならなくなった。

本社の管理が強まり 強みの現場力が落ちた

社員一人ひとりが目標を実現するため、当事者意識を持って仕事をやっていくしかない。当社はもともと、部店独立採算制(国内外の支店それぞれが収益責任を負う、三井物産の採算管理制度。04年に廃止)の下で現場が強く、一騎当千の兵がそろっているのが魅力だった。だが不祥事もあって、近年は本社での内部統制を強く意識してきた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内