自動車やエネルギー、食料など幅広い分野の川上から川下までを取り扱う商社。そこで経験を積んだ人材は、担当業界に精通しているのはもちろん、外国語、会計や法律などに関する知識を豊富に持っている。
リタイアした後でも彼ら、彼女らの経験は中小企業や教育の現場で生きるはず。そんな思いから、商社の業界団体である日本貿易会の下で2000年に設立されたのがABIC(特定非営利活動法人 国際社会貢献センター)だ。現在、商社のOB・OG約1880人を含む2600人超が人材登録している。
「世界各国でのビジネス経験を持ち、あらゆる営業分野に精通する人材がこれだけいれば、どのような依頼にも適材が見つかる」とABIC常務理事・事務局長の関伊知郎氏は胸を張る。
専門を問わず通用する 商社で培った経験知
伊藤忠商事OBの農守(のうもり)義文さんは青森県物産振興協会の青森県産品輸出促進員として東京都内から青森市内に移り住み、60代での単身赴任生活を送った。
1972年に伊藤忠に入社し07年に退職するまで、農守さんは一貫して繊維原料の商売に携わった。ナイジェリアの旧首都ラゴス、イランの首都テヘラン、米国・ニューヨークと世界各国に駐在し、イタリア・ミラノでは支店長も務めた。
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