初めて明かされた“実力値”は、株式市場にとって大きなサプライズとなった。
昨年4月23日、アマゾンは初めてAWS事業の業績を開示した。AWSはアマゾン・ウェブ・サービスの略称で、中身はクラウドサービスの提供だ。急速に成長を遂げてきたAWSだが、業績についてはいっさい公開されてこなかった。初めて明かされたAWS事業の四半期(2015年1~3月期)売上高は15・66億ドル(約1761億円)、営業利益は2.65億ドル(約298億円)。想像以上の高い収益性に投資家たちは驚いた。
翌日、アマゾン株は前日比14%高へと急上昇。さらに3カ月後の4~6月期決算では、AWS事業の営業利益が3.91億ドル(約440億円)へ拡大した。株価は10%近くハネ上がり、米小売り最大手であるウォルマートの時価総額を抜き去った。
アマゾンは小売り事業の成長に伴い、ECサイトがアクセス過多でダウンしないように、情報システムの調整・改良に膨大な時間を費やしてきた。システムの拡張も「ワンクリック」になれば便利になると考え、自社のために開発した斬新なサーバーシステムを他社へも開放したのが06年。AWSの始まりだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら