有料会員限定

激変する有力業界の年収 商社、電機、電力 独自試算で明暗クッキリ

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15
拡大
縮小

過去10年間の業界の変遷を、各社の年収で比較してみるとどうなるのか。独自試算(囲み)で全業種を分析したところ、特徴的なのが、電機、商社、電力の3業界だった。

特集「給料が上がる仕事 下がる仕事」の他の記事を読む

日立が抜きんでた理由

電機業界は2006年当時、推定年収に大差がない。リーマンショック後の業績悪化で抑制された後、伸びが特に顕著だったのが日立製作所だ。

日立は09年3月期、構造改革などのために製造業として過去最大となる7873億円の赤字を計上。以後もさまざまな施策を講じた中、12年のハードディスクドライブ(HDD)事業売却が競合を驚かせた。02年に米IBMから買収し苦戦続きだったが、ようやく利益が出るようになっていたからだ。

インフラを軸として浮沈の激しいほかの事業分野は縮小するという明確な方針が日立の経営陣にはあった。HDDは利益が出ていたからこそ売却したといえる。業績は着実に改善し、14年3月期は23年ぶりに営業利益が過去最高を更新。年収も同様の動きだ。

対照的なのがシャープ。試算では年齢が上がっても年収が上向かず、40歳の推定年収は日立と200万円近い差がある。シャープは11年度、12年度で計9000億円もの最終赤字を計上。翌年度に黒字化したが、頼みの中小型液晶パネルが失速し、再び大赤字。金融支援を受けて再建に取り組むものの、15年度第3四半期は290億円の営業赤字と、苦境脱出の糸口は見えていない。16年の春闘は、電機メーカーの労働組合で構成される電機連合の統一交渉に4年連続で不参加となる見通しだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内