上半身もあらわにボクサーパンツ1枚の姿で横たわり、カメラ目線で流し目を送る男性──。
米シリコンバレー近くの高速道路を走ると、巨大な看板広告が目に飛び込んでくる。これはメンズ下着の宣伝ではない。男性は実在するITエンジニアだ。「最高にホットな人材をそろえました」というコピーが印象的なこの広告は、IT業界に特化した求人ウェブサイト「ダイス」が2年ほど前に打ったもの。業界の話題をさらい、昨年はニューヨークのタイムズスクエアにも登場した。
「優秀なエンジニアの奪い合いは、文字どおりウォー(戦争)のようだ」。ボストン近郊のソフトウエア会社、ライフガイドのフィル・ストラツーラCEO(最高経営責任者)は米IT業界の今をこう表現する。タレント・ウォーズ(人材争奪戦)は激しさを増すばかりだ。
出会い系アプリで接触 手段選ばぬスカウト
サンフランシスコのIT企業でエンジニアとして働くストラツーラ氏の友人は、出会い系アプリを通じて女性と会ったところ、なんと人材スカウト業者だった。「同じような話を複数の友人から聞いた。メールや(ビジネスパーソン向けSNSの)リンクトインでは返事をもらえない優秀なエンジニアに接触するためだ」(ストラツーラ氏)。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら