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一括か個別契約か 揺れるマンション住民 家庭用電力の自由化が思わぬ逆風に

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(撮影:梅谷秀司)

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「いろいろと新しい自由化メニューが出ているが、一括受電と個別契約とではどちらが有利なのか」──。最近、一括受電サービス事業者やマンション管理士に対し、マンション管理組合からそんな問い合わせが増えているという。

マンションの場合、各住戸が個別に電力会社と契約する方法だけでなく、マンション全体で一括して電力会社と契約する「高圧一括受電」という方法がある。一括受電のサービス事業者が代表となって電力会社から高圧でまとめて受電し、それを低圧に変えて各住戸(専有部)や管理組合(共用部)に配電する。そうすると低圧で個別に契約するよりも電気代が安くなる(図1)。

[図1]
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なぜ安くなるかというと、高圧のほうが低圧よりも料金単価が3割近く低いからだ。サービス事業者は高圧で電気を安く仕入れ、従来と同じ低圧の高い単価で各住戸から料金を徴収する。高圧に切り替えるための受変電設備やメーターの交換費用、検針・課金・保全費用は事業者が負担する。それでも十分に生まれる利ザヤから一部を割引分として住民や管理組合に還元する仕組みだ。エレベーターや館内照明など共用部の電気代を20~40%程度削減するプランや、専有部のみの電気代を5~10%削減するプランなどがある。

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