新電力の急先鋒として石油会社の存在感が増している。
最大の特徴は価格にある。「電力・ガス会社より知名度で劣る分、コスト競争力を武器に価格勝負することが不可欠」と、JXエネルギー電気事業部長の大村博之氏は話す。事実、同社の家庭向け電力「ENEOSでんき」は、首都圏の電力単体の値引き幅で最大。ただし、事業エリアは当面東京電力管内のみだ。
JXエネルギーは全国に163万キロワット(IPP含む)の自社電源を保有する。主力の川崎天然ガス発電所はガス・蒸気タービンを組み合わせた高効率のコンバインドサイクル発電方式で、発電効率は58%と東京電力の火力発電所平均値より10%ほど高い。需要地に近い好立地で、高効率な自社発電所を複数有していることが、安さを打ち出せる秘訣だ。
一方、川崎市を中心に発電所を増設してきた昭和シェル石油は電力料金の値下げ幅こそ同業他社に見劣りするが、ガソリン価格を1リットル当たり10円割り引く「ドライバーズプラン」で差別化を図る。東京電力管内が当初事業エリアだ。
事前に「何をいちばん割り引いてほしいか」をアンケートしたところ、ガソリンの値引きへのニーズが電気と同じくらい高かった。系列スタンドの囲い込みにも寄与するため、電力・ガス会社にはできない給油値引きを武器に顧客獲得を進める。
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