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電力自由化の先進国 欧州の教訓 日本の将来を暗示する?

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ドイツの街並み。1998年に電力小売りが自由化されて以後も紆余曲折があった(ロイター/アフロ)

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ドイツの電力小売りが全面的に自由化されたのは1998年のことだ。90年からドイツで執筆活動を行ってきた筆者は、エネルギー供給の仕組みが劇的に変化するこの過程をつぶさに観察してきた。

日本でも今年4月から電力小売りが全面自由化される。「価格競争を通じ、電力自由化が消費者に恩恵をもたらす」という報道もあるようだ。

しかし先行して自由化した欧州の教訓は、そんな楽観的で単純なものではない。

価格面での恩恵は薄いが選択肢増えたのは利点

確かに自由化前の地域独占の時代と比べると、電力購入の選択肢が大きく増え、情報も入手しやすくなった。しかし、ドイツ政府がほぼ同時にエネルギー転換(Energiewende)を始め、再生可能エネルギー拡大などの理由による消費者への賦課金が年々増加(図1)。このため自由化・競争促進による電力料金の削減効果は感じられない。

[図1]
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ドイツの家庭向け・産業用向け電力価格は、自由化直後に電力会社がシェアを失うまいと一時的に値引き競争を行った。結果、自由化後の2年間は価格が下落した。だがそれ以降は託送料金や再生可能エネルギー促進のための賦課金などが上昇したため電力料金は毎年増加している。2000年からの13年間で、家庭向け電力料金は2倍以上になったのだ。現在、ドイツの電力料金の半分は、賦課金と税金で占められる(図2)。

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