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電力・ガス自由化をめぐる裏側の攻防 転換点が2017年に招来する

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東電の柏崎刈羽原子力発電所。東電が原発再稼働の見通しを立てられない中、早々に再稼動のメドをつけた関電が反撃の機会をうかがう

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2017年春──。日本のエネルギー産業の勢力図はどう変動しているだろうか。電力・ガス自由化の将来を占うとき、いくつかの転換点がほぼ1年後に招来する。

「両社の企業価値を一段と向上させていきたい」 東京電力と中部電力は2月10日、燃料・火力発電の共同会社、JERA(ジェラ)の事業計画を発表した。両社は14年10月に包括的アライアンスに合意した後、折半出資でJERAを設立。LNG(液化天然ガス)の調達・上流開発、海外発電事業などの統合交渉を進め、ようやく事業計画の策定にこぎ着けた。さらに既存の火力発電所まで統合するか否かを判断するのが17年春なのだ。首都圏と中京圏にまたがる「巨大火力発電会社」の誕生は、わが国のエネルギー市場を一変させる。

しかし発表会見で、東電の廣瀬直己社長、中電の勝野哲社長は共に「企業価値の向上」をうたい上げたものの、JERAの事業計画には肝心の既存火力の統合に関する具体的な記述がない。東電からは今なおこんな声が上がる。

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