新「アベノミクス」の幕が、世界経済の減速とともに上がった。中国景気悪化リスクが招いた、世界同時株安。浮揚しない物価、賃金。行き詰まりを見せる日銀の金融政策。視界不良なマクロ経済を展望する。
迫る米利上げ、日銀緩和の判断
株価は反転上昇か、再び下落か
日経平均株価が8カ月ぶりに1万7000円を割り込んだ9月29日。安倍晋三首相の姿は、米国ニューヨークにある経済・金融情報サービス会社・ブルームバーグの本社にあった。
講演で、公表したばかりのアベノミクス第2ステージへの意欲を表明すると、その足で次に向かったのはカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)など米国を代表する11人の主要機関投資家代表が待つ会議室だ。スピーチではなく、質疑応答形式のクローズドなミーティングが始まった。
それから1時間強。ここでも安倍はいつもどおり能弁だった。
「新アベノミクスは具体的な中身がわからない」「日本のコーポレートガバナンス(企業統治)改革は進んでいるのか」「人口減少にどう対応するのか」といった質問が矢継ぎ早に飛ぶ。日本がすでにやり始めていることも海外では理解されていないことを知ると、安倍は猛烈に反論。
最後は「皆さんもちゃんと日本のスチュワードシップコード(機関投資家向け行動原則)に署名してくださいね」と笑顔で締めくくった。
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