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中小企業はなぜ不況から抜け出せないのか トリクルダウンの幻想

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町工場が広がる東大阪市の風景。中小企業への経済波及効果は道半ばだ(時事)

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アベノミクスの経済政策の肝は「トリクルダウン」だった。大胆な金融緩和で円安へと誘導することで大手企業が好業績を上げ、その利益が取引する中小企業にもこぼれ落ちる効果を期待していたのだ。しかしデータを見るかぎり、十分に実現しているとは言いがたい。大手企業が過去最高益の更新を続ける一方、業績が回復せず、借金の返済も滞る企業が中小企業を中心に30~40万社存在している。

大胆な金融緩和が円安倒産を招いた 

2014年度に過去最高益を達成した自動車最大手のトヨタ自動車。その取引先は1次下請けで5204社、2次下請けで2万5863社の計3万1072社という広大な裾野を有する。業績動向を調べてみると、トリクルダウンが進んでいないわけではない。トヨタの1次下請けでは60.7%、2次下請けでは56.5%の企業が増収を果たしている。仕事は確かに増えているのだ。

自動車用シートを加工・納入しているある中小企業は前年比で2倍近い受注だという。トヨタの国内生産台数はほぼ横ばいだが、人気のワンボックスモデルの受注台数が増加した結果、1台当たりのシートの数が飛躍的に増えた。最近のシートにはセンサーが装備されており、付帯部品を取り付ける作業代などで単価が上昇したことも業績を押し上げた。

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