産業再生機構のCOO(最高執行責任者)としてカネボウや日本航空の経営再建を導いた企業再生の第一人者、冨山和彦氏に東芝について聞いた。冨山氏は社外取締役の育成を手掛ける日本取締役協会の副会長で、オムロンの社外取締役を務めるコーポレートガバナンス(企業統治)の専門家でもある。
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とやま・かずひこ●経営共創基盤(IGPI)CEO。1960年生まれ。85年東大法学部卒。92年米スタンフォード大学経営学修士(MBA)。ボストン コンサルティング グループを経て2003年産業再生機構COO。07年IGPI設立。現在オムロンとぴあの社外取締役、経済同友会副代表幹事(撮影:尾形文繁)
──ガバナンスが機能していれば、東芝の不正会計は未然に防げたのでしょうか。
根本までさかのぼって、ガバナンスが健全に機能していれば、不正は起きなかったと思います。
要は、社長と会長の権力闘争や、財界で偉くなりたいという個人の煩悩のために短期業績の向上に走るのは本末転倒。そんな人物を社長に選ばなければいいだけの話です。製造業というのは仕組みで戦っているビジネスで、数日で何とかなるものではない。「3日で120億円、何とかしろ」なんて、私が社外取締役として聞いていたら、絶対、その社長の資質を疑っています。そもそも、「何とかしろ」と言うこと自体、経営者の仕事でも言い方でもない。
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