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東芝 傷だらけの再出発

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財界幹部を輩出してきた名門・東芝で長年にわたる不正が発覚。歴代3社長が辞任、有価証券報告書の提出は遅延に次ぐ遅延と大混乱が続いた。9月7日にようやく提出し上場廃止を免れたが、14日に発表した第1四半期は3年ぶりの四半期赤字。東芝の再出発はまさに茨の道だ。

東芝は工事進行基準を悪用し利益をカサ上げしている──内部告発を受けて2月に証券取引等監視委員会が動き、この半年間、東芝は揺れに揺れた。

発覚当初は工事基準だけの問題にとどまり、過去の利益の修正規模も500億円程度とみられた。ところが、4月に立ち上げられた社内中心の特別調査委員会は、パソコン(PC)やテレビ、半導体でも利益修正が必要であることを突きとめる。

5月には元検察幹部を委員長とする第三者委員会が発足。弁護士20人、公認会計士79人の総勢99人が2カ月かけて、役職員210人への聞き取り調査を実施。関連資料を東芝に提出させ裏付けを行った。

同委員会が報告書で7月に浮き彫りにしたのは、税引き前で累計1518億円という利益修正や経営トップが深く関与した組織ぐるみの不正だ。最終的に9月には2248億円にまで膨らんだ(税引き後は1552億円)。いち早く委員会等設置会社に移行するなどコーポレートガバナンス(企業統治)の優等生とみられてきた東芝で不正が起きたことで、国内外に大きな衝撃を与えた。

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