日本航空、IHI、オリンパス、そして東芝──。粉飾決算や不正会計が発覚した多くの会社で、決算書をチェックする会計監査を新日本監査法人が担当していた。
東芝の不正会計問題をめぐっては、第三者委員会は報告書で監査法人の責任問題を棚上げした。新日本がどんな役回りを担ったのか、まったく明らかになっていない。
「新日本は大変だ。いずれさまざまな問題が明らかになってくる。無傷で済むとは到底思えない」。日本公認会計士協会の幹部はこう小声で話す。あずさ監査法人、監査法人トーマツとともに日本の3大会計事務所の一角を占める新日本の「監査の失敗」は、監査業界全体を揺るがしかねない。中央青山(解散時はみすず)監査法人の悪夢が脳裏によみがえる。中央青山は、カネボウやライブドアマーケティングの粉飾決算にかかわり、解散に追い込まれた。
「だまされた」のに辞退しない弱腰監査
新日本は、所属する会計士らに、不正はあくまで会社主導のもので、新日本は「だまされた」のだと説明している。不正に手を貸したわけではない、というのである。
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