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木村浩一郎 PwCあらた監査法人 代表執行役
世界標準の監査を徹底 東芝は500人で対応

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きむら・こういちろう●1963年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。86年青山監査法人入所。2012年6月から現職。(撮影:尾形文繁)

世界4大会計事務所の一角、PwCと提携する、PwCあらた監査法人(あらた)。2006年、カネボウの粉飾事件を受けて解散した、旧中央青山監査法人の出身者を中心に設立された監査法人だ。

今年4月からは、不適切会計問題のあった東芝の監査を担当している。どのような体制で臨むのか。相次ぐ会計不祥事とどう向き合うのか。木村浩一郎代表執行役に聞いた。

──会計不祥事が後を絶たない。監査法人に求められていることは。

言うまでもないが、監査品質だ。私どもは、10年前の設立以来、つねに監査品質を第一にしてきた。監査の総仕上げに監査報告書を企業に提出するが、それが間違っていたらもうおしまい、ダメなんだ、という覚悟を持つことが、ますます求められている。

──監査品質を、具体的にどう確保していくのか。

監査をするときに緊張感を持たなければいけない。その緊張感を組織として担保する仕組みがある。

監査チームのほかに、審査担当のパートナーが確認し、監査チームがしっかりとやっているか検証する。さらに、品質管理本部が監査チームや審査担当の報告を待つだけではなく、自ら確かめに行くことで、緊張関係を作り出している。

さらに、1年に一度、監査品質の検証作業を行う専門チームが米国のPwCから日本に来て、監査チームが作る監査調書を確認している。

──解散した旧中央青山監査法人の教訓はあるか。

05年にカネボウの粉飾事件があり、日本の監査に対する信頼が、日本だけでなく世界でも損なわれていた。あらたはそのときに、世界に通用する監査をしっかりやろうと、ゼロから作り直した法人だ。そのため、資本市場における期待は十分に意識し、それに応えていきたいという、強い思いを持ってやってきた。

──東芝の監査は「二度と同じことがあってはならない」と株主をはじめ多くの人が注目している。

そうした期待は、ひしひしと感じている。国内だけでなく、世界においても、PwCとして、しっかりとステークホルダー(利害関係者)の期待に応えたい。

──どのような体制で監査に臨むのか?

必ず監査におけるリスクを評価し、それに合った体制を構築する。東芝を担当する人員は国内のあらたで100名超、海外も合わせると500名だ。前任の監査法人の通常の体制と比べても多いと思う。

──500人体制というのはどの程度か。たとえば、あらたが担当するトヨタ自動車と同等か?

そうだ。だいたい会社の規模に比例するので、そういった規模感だ。加えて、リスクが高ければ、増やしたりする。

──注目度の高い東芝の子会社、米原発会社のウェスチングハウスの監査は、PwCが引き受けるのか。

そう。重要な子会社やビジネスは、PwCとして検証することが必要だと考えている。

──東芝は16年度に予定していたIFRS(国際財務報告基準)の適用を先送りした。引き継ぎに時間がかかったのか。

会社の判断だ。少なくとも、私たちから何か申し上げたことはない。

(聞き手・本誌:富田頌子)

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