9月3日の抗日戦争勝利70周年記念パレードに向け、北京では着々と準備が進められている。排ガスを抑えて青空を演出するため、8月20日から市内で自動車の交通を規制することも決まった。
7月に入ると日本政府は、パレード前後のタイミングで安倍晋三首相が訪中するための瀬踏みを開始。中国側の態度表明を待たずして、日中関係改善への楽観ムードが広がった。
だが、中国側は要所要所でくぎを刺す動きを見せていた。習近平国家主席は7月30日に共産党中央政治局の学習会で、「歴史の歪曲や侵略戦争を否定したり美化したりする誤った言論には、事実によって反論せねばならない」と指示した。
中国で「抗日戦争」とは一般的に1937年の盧溝橋事件で始まった日中戦争を指す。だが、この日に習主席は、満州事変の発端となった31年の柳条湖事件から45年の終戦までの14年間を対象としてより長いスパンでの研究を徹底するよう求めた。
安倍首相が戦後70年談話の作成のために設けた私的諮問機関「21世紀構想懇談会」が8月6日に提出した報告書には、「満州事変以降、大陸への侵略を拡大」、「1930年代以降の日本の政府、軍の指導者の責任は誠に重い」と明記された。そのうえで中韓をはじめとする関係国との和解のため、2国間だけでなく多くの国が参加したかたちでの歴史共同研究を提案した。
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