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共産党を脅かす「民意」の実像 農村が動かなければ中国は変わらない

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内陸の農村に中国の大問題を追う

中国の将来像は、農村を抜きにしては語れない。今でも中国の人口の7割以上が農民だからだ。だが、その実像は日本ではあまり知られていない。

中国人の戸籍は農業戸籍と非農業戸籍に二分されている。清華大学中国経済社会データセンターの調査によれば、2013年に中国の総人口に占める非農業戸籍人口は27.6%。残りは居住地にかかわらず農業戸籍の「農民」と呼ばれる人たちだ。地元を離れて都市で出稼ぎする農民(「農民工」という)も多いが、彼らは社会保障などさまざまな権利を制限されている。

農村と都市を区分けしているのは産業形態ではなく戸籍制度であり、「農民」は職業ではなく身分を表すといえる。同じ北京の若者でも、北京市民である若者と北京に暮らす農業戸籍の若者とでは境遇や暮らしがあまりにも異なるし、互いの交流もほとんどない。

筆者は北京で建築現場の農民工宿舎に半月ほど泊まり込んだことがある。彼らはみな故郷で結婚し子供もいるが、帰るのは年に一度、旧正月の休みだけという生活を長年送っていた。週に1日の休みは同郷の仲間と近くの公園などで過ごす。繁華街や観光地に行くことはなく、北京に何年もいるのに天安門広場を見たことがない者も何人かいた。筆者の知る限り、広東省などの工場で働く農民工も同様だ。

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