有料会員限定

誌上講義 歴史と古典で学ぶ中国人のツボ [1]ミクロ編 ざっくりわかる中国人超入門

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12
拡大
縮小

中国を「大づかみ」に理解する

今や中国に関する情報はあふれ返っている。だが、表層的な変化だけを追っていてはかえって本質を見失う。より大事なのは「中国人とは何か」を大づかみにとらえること。そこで頼りになるのは歴史と古典の知識である。京劇研究を通じて中国社会の深層を見つめてきた加藤教授に、中国人の世界を理解するための道案内をお願いした。

 案内人  明治大学教授 加藤 徹

かとう・とおる●1963年生まれ。東大文学部卒。専門は京劇研究。著書に『貝と羊の中国人』など。平易だが深い中国文化解説に定評がある。(撮影:尾形文繁)

特集「中国人の攻略法」の他の記事を読む

[ツボ1]中国史を複数の時間軸でつかむ

中国4000年の歴史、といいますが、日本との関係では3000年、300年、30年という複数の時間軸で考えることをお勧めします。ちなみに、一世代を表す漢字「世」の原義は「30年」です。

日本人が「中国人」というときに思い描くのは、漢民族の人々でしょう。その祖型は、今から約3000年前、「殷(いん)」と「周」という二つの民族集団が衝突したことで生まれました。これを「殷周革命」といいます。詳細は後で説明しますが、この衝突の結果、東アジアの諸民族が玉突きのように移動し、その一部が弥生時代の日本に水稲耕作をもたらしました。日中関係の歴史はここまでさかのぼります。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内