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誌上講義 歴史と古典で学ぶ中国人のツボ [1]ミクロ編 ざっくりわかる中国人超入門

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中国を「大づかみ」に理解する

今や中国に関する情報はあふれ返っている。だが、表層的な変化だけを追っていてはかえって本質を見失う。より大事なのは「中国人とは何か」を大づかみにとらえること。そこで頼りになるのは歴史と古典の知識である。京劇研究を通じて中国社会の深層を見つめてきた加藤教授に、中国人の世界を理解するための道案内をお願いした。

 案内人  明治大学教授 加藤 徹

かとう・とおる●1963年生まれ。東大文学部卒。専門は京劇研究。著書に『貝と羊の中国人』など。平易だが深い中国文化解説に定評がある。(撮影:尾形文繁)

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[ツボ1]中国史を複数の時間軸でつかむ

中国4000年の歴史、といいますが、日本との関係では3000年、300年、30年という複数の時間軸で考えることをお勧めします。ちなみに、一世代を表す漢字「世」の原義は「30年」です。

日本人が「中国人」というときに思い描くのは、漢民族の人々でしょう。その祖型は、今から約3000年前、「殷(いん)」と「周」という二つの民族集団が衝突したことで生まれました。これを「殷周革命」といいます。詳細は後で説明しますが、この衝突の結果、東アジアの諸民族が玉突きのように移動し、その一部が弥生時代の日本に水稲耕作をもたらしました。日中関係の歴史はここまでさかのぼります。

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