西田と佐々木の確執 もはや修復不能だった
歴代3社長が辞任。西田、佐々木の反目もまた、問題の一因だったのか。
西田厚聰と佐々木則夫──。歴代社長の確執が表面化したのは、2013年の社長交代会見だった。
西田(当時会長)が「固定費を削ったことで売上高がどんどん落ちている」と佐々木(社長)時代の経営を批判すれば、「数字を出しているから、文句を言われる筋合いはない」と佐々木も応酬した。
が、後継として佐々木を推したのは、ほかならぬ西田である。09年の社長交代前、「絶対に彼しかいない。大丈夫」と周囲に話すほど入れ込んでいた。ところが、社長交代から1年後、西田は相談役の西室泰三を前に「私の目利きが違っていた」と悔やんでいる。
佐々木は原子力事業畑を歩んできたエキスパートだ。06年に東芝が約6300億円を投資して、原発大手の米ウエスチングハウスを巨額買収した際、実務面で社長の西田を全面的にサポートした。このときの献身的な働きが買われたに違いない。
だが、トップを任された佐々木は、“鬼軍曹”に変わった。「一日に何度も社長室に呼び出され、当時は仕事にならなかった」。ある東芝役員は、佐々木の社長時代をこう振り返る。予算が達成できないようだと、何度も説明を求められた。ノイローゼぎみになった役員はたまらず会長の西田の元へ駆け込む。西田が忠告しても譲らなかった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら