東京の湾岸エリア。来春の完成に向け、大手デベロッパーのある大規模分譲マンションの建設工事が進む。
当初は長谷工コーポレーションが一括で工事を行う予定だったが、発注コストが折り合わずに分割受注した。デベロッパーは仕方なく残った工区を予算内で引き受ける別のゼネコンを探したものの見つからず、結局コストを上乗せして長谷工が請け負うことになった。
「発注コストが合わずにお断りしても結局は当社で請け負う案件は少なくない。マンション専業として供給責任があるので対応している」(今中裕平取締役常務執行役員)
今やマンション建設コストの主導権は、長谷工が握っていると言っても過言ではない。ゼネコンが供給過剰の状態でデベロッパーに要求されるままに赤字覚悟で建設コストを引き下げていた頃とは様変わりだ。最も一般的な“板状型”マンション(横に広い形をしたマンション)のコスト競争力で、長谷工にかなう相手はまずいない。
マンションの施工は手間がかかり顧客からのクレームも多いので、ゼネコンにとってはあまり請け負いたくない工事といわれてきた。施工効率がよい“タワー型”の超高層マンションは大手ゼネコンも積極的に受注するが、板状型にはほとんど手を出さない。
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