「企業のオフィスに対するニーズは非常に強い。先行して賃料の上昇も始まっている」(三菱地所の杉山博孝社長)
東京5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷区)のオフィスの空室率は3月、5.3%まで低下。平均賃料も10カ月連続して前年同月比で増加した(三鬼商事調べ)。「空室が少なく、企業のまとまったニーズにお応えできないでいる」(杉山社長)。
新たに供給されるオフィスビルの需要も強い。ビルディング企画の須藤浩之・執行役員営業部長は「4月に入り、新築ビルでバタバタッと大型成約があった」と話す。賃料に先高感があるため、ビル竣工の1~2年前に入居を決める企業もある。
3年前に竣工した都内のあるオフィスビル。当初テナントの入居率が4割程度だったが、現在ほぼ満床になった。同ビルの営業担当者は、「次の家賃交渉では3割近い値上げを実現したい」と意気込む。
低下する投資利回り 局地的なバブルの懸念
日銀の追加緩和による低金利や円安を背景に、不動産投資も活発だ。不動産仲介大手、JLLの調べでは、今年1~3月、日本の不動産投資は前年同期比23%増の1兆5400億円に上った。
賃料が上がったとはいっても、東京の水準はロンドンに比べまだ7割程度。海外投資家の多くは賃料の引き上げ余地があると見ている。歴史的な低金利で、資金調達コストはミニバブル期の2007年に比べ約半分に低下。さらに都心では五輪開催の決定や、国家戦略特区など政府の政策効果で、さまざまな再開発プロジェクトが進んでいる。
拡大する
戦略特区に手を挙げている再開発プロジェクトは都内に10あるが、さらに広がる可能性がある。現在東京都は特区の指定を中心部と湾岸部の9区に限っており、今後多摩地区を含めた都内全域へ拡大する方針。都や事業者から提案を受ける内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長は「特段数字目標は設定していないが、(東京圏の都市再生分野で)半年間に10のプロジェクトを認定するぐらいのスピード感で進めていきたい」と話す。
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