「塩漬け」になっていた物件が動きだすか。森トラストは虎ノ門パストラルの跡地(港区)で、来年中に再開発工事に着手する。オフィスやホテル、サービスアパートメントなどで構成される高さ180メートルの高層ビルを建設する。
パストラルの跡地開発は、森トラストにとって曰(いわ)く付きのプロジェクトだ。2008年1月、不動産投資会社と共同でパストラルの土地と建物を2300億円で取得したものの、その後に不動産投資会社が債務超過に陥り、共有持ち分50%を引き取り単独所有していた。建物の解体は終えたが、不動産市況の低迷が続いていたこともあり、新築着工も転売もできず手つかずの状態に。11年3月期決算では巨額の土地評価損を計上した。
パストラル跡地開発は、「あきれるような高い値段で買って、そのまま市況がピークアウトしてしまった」(外資系アナリスト)と、ミニバブル時の投資失敗例のように言われる。今回の再開発も19年度に完成を目指すが、「東京オリンピックには間に合わないのではないか」(業界関係者)との見方もある。しかし、森トラストの森章社長は周囲の声を一向に気にしない。「19年度に竣工予定だが、オリンピックの前や後といった時期は意識しないで手掛ける。やれるときにやる」。
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