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本質的に不安定性を持つ もたれ合い関係にある
評者 東洋英和女学院大学副学長 中岡望
著者は評者が最も信頼するエコノミストの一人である。
1990年代半ばから、モルガン・スタンレーのチーフエコノミストであった著者に何度もジャーナリストとしてインタビューをしてきた。同社のニューヨークのオフィスで長時間、話を聞いたこともある。著者のレポートを編纂して共著作にして出版したこともある(『超大国の破綻』)。
エコノミストにありがちな目先の経済データを操るのではなく、明確な世界観を持って骨太の経済理論を駆使し、経済事象を見事に分析していたことを鮮明に覚えている。本書は評者の期待を裏切ることはなく、極めて刺激的な本になっている。
本書のテーマは米中経済の依存関係である。著者は「中国は経済発展戦略を維持する手段としてアメリカを頼りにする度合いを強め、同時に、アメリカは主要な成長源として中国に大きく依存する」という“もたれ合い”の関係にあると指摘する。そして、その関係は「本質的に不安定性」を持っていると警鐘を鳴らす。
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