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『税で日本はよみがえる』『「朝日新聞」問題』 『戦争画リターンズ』『負の利子率政策』

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税で日本はよみがえる ―成長力を高める改革
税で日本はよみがえる ―成長力を高める改革(日本経済新聞出版/336ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
もりのぶ・しげき●中央大学法科大学院教授。ジャパン・タックス・インスティチュート所長、東京財団上席研究員、財務省財務総合政策研究所特別研究官。1950年生まれ。京都大学法学部卒業、大蔵省入省。主税局総務課長、東京税関長、財務総合政策研究所長などを歴任。

難解な税制を平易かつ包括的に論じる

評者 河野龍太郎 BNPパリバ証券経済調査本部長

税制改革書の決定版だ。難解な税制をわかりやすく、包括的に論じる。近年話題の租税回避にも十分な紙幅を割いている。

かつて社会保障はセーフティネット拡充を主眼としたが、多額の費用を要し、就業意欲も阻害する。その反省から、自助努力を促す「給付付き税額控除」の採用が近年の世界的潮流だ。日本でも抜本的税制改革の一環として、消費増税の際に導入が検討されたが、民主党時代の子ども手当の迷走もあり、消費増税の低所得者対策として食料品等への軽減税率ばかりが議論されている。軽減税率導入は税収の取りこぼしが増え、富裕層に大きなメリットをもたらす。10%への増税の際、軽減税率ではなく、給付付き税額控除を低所得者対策として導入すべきだ。

競争力向上の方策として法人税改革も避けては通れない。税収中立を前提に、現在の35%から30%弱への実効税率引き下げの財源がほぼ固まった。税優遇による投資促進を支持する人が多いが、優遇なしでは実行されないような低収益の投資を助長すれば、潜在成長率はむしろ低下する。租税特別措置など優遇税制の停止を財源とすることの妥当性を説得的に論じる。

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