有料会員限定

『経済学の宇宙』『コールダー・ウォー』 『日本海ものがたり』『二重螺旋 完全版』

印刷
A
A
経済学の宇宙
経済学の宇宙(日本経済新聞出版/496ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
いわい・かつひと●国際基督教大学客員教授、東京財団名誉研究員、東京大学名誉教授。1947年生まれ。米マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。米イェール大学助教授、東大助教授、米ペンシルベニア大学客員教授、米プリンストン大学客員准教授、東大教授などを経る。

同時代を見事に映す 知の獲得の個人史

評者 福山大学経済学部教授 中沢孝夫

著者の「知の獲得」の個人史が、そのまま現代経済学への問いと理解への解説になっている。交流した多彩な人物像を含め、経済学の巨人たちの思想を消化し、再構築してきた著者の思想の厚みは圧倒的である。

著者は、自らが取り組んできた、不均衡動学や貨幣論あるいは資本主義論が「経済学の主流から離れている」としているが、評者にはそれはわからない。また本書によると「現代アメリカにおいてはほとんどの大学には『経済学史』という科目は存在しない」という。しかし最終章でアリストテレスを再読する部分を読むと歴史のもつ意味に改めて感慨を覚える。

著者は、アリストテレスを紹介しながら、貨幣とは本来「モノとの交換のために発生した」はずなのに「貨幣それ自体を目的とするようになる」。つまり貨幣を手に入れるためにモノを売買するようになる、と指摘している。それは具体的なモノに還元できない、可能性という「無限への欲望」への経済活動だ。それが資本主義であると説く。読者としてとても納得がいく。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
ファミマと伊藤忠が狙う「セブン-イレブン1強体制」打破の勝算
ファミマと伊藤忠が狙う「セブン-イレブン1強体制」打破の勝算
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内