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『困難な選択』『失われた国家の富』 『三重スパイ』『リベラルアーツの学び方』

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困難な選択 (上)
困難な選択 (上)(日本経済新聞出版/496ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

Hillary Rodham Clinton 1947年生まれ。2009年から13年まで米国務長官を務めた。4年間の国務長官任期中に世界112カ国を巡り、100万マイルを旅した。国務長官就任以前の40年間を、社会活動家、弁護士、ファーストレディ、上院議員などとして過ごしている。

濃密な内容で同類の回顧録を圧倒

評者 東洋英和女学院大学教授 中岡 望

米大統領選挙は、民主、共和両党の候補者を決める予備選挙に向けての選挙活動が加速している。共和党はまだ有力候補者名が取り沙汰されている段階だが、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官が世論調査では圧倒的なリードを保っている。よほどの波乱がない限り、クリントン氏が民主党の大統領候補になる可能性が強い。そうした雰囲気の中で問われているのが、クリントン氏の大統領としての資質である。本書は、彼女の能力の評価に最適な本である。

クリントン氏は聡明さに定評がある。2009年、国務長官として最初の訪問国に選んだのは日本だった。その際、評者は国務省の依頼で日本での同行取材をし、単独インタビューを行い本誌に掲載した。彼女のインタビュー記事は、発言を書き起こすだけで何の編集もする必要がないほど簡潔かつ完璧なものだった。かつきわめて謙虚な人柄が印象に残っている。本書の中でも随所で同じ印象を得た。

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