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『自由の思想史』『ヤバすぎる経済学』 書評レビュー 『ナチュール』ほか

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自由の思想史: 市場とデモクラシーは擁護できるか (新潮選書)
自由の思想史: 市場とデモクラシーは擁護できるか (新潮選書)(新潮社/239ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
いのき・たけのり●経済学者。大阪大学名誉教授。元日本経済学会会長。1945年滋賀県生まれ。京都大学経済学部卒業、米マサチューセッツ工科大学大学院修了。大阪大学経済学部教授、国際日本文化研究センター所長、青山学院大学特任教授など歴任。

知的誠実さをもって 自由のあり方を問う

評者 福山大学経済学部教授 中沢孝夫

表現する者に究極的に問われることは知的誠実さであろう、と評者は思っている。そうした意味から、本書の著者の本が刊行されるとすぐに読む。期待を裏切られることがないからだ。

著者は、いわば古代から現代までの万巻の書をひもときながらと言っていいほどの博識を込めつつ、自由(の思想)を本書で語っている。

「アテナイの人々」「古代ローマ人」、あるいは「宗教と政治」「学問の場のあり方」、さらには「言論」や「表現」、そして「経済」や「余暇」といったテーマにおける自由をめぐる著者の問いと答えは、私たちの暮らす現代の持つ悩みや困難さを如実に表している。

巻末の「結びにかえて」で著者は「西洋で生まれた自由の概念には、現代のわれわれ日本人が理解しがたいような、血と涙にまみれた厳しい歴史があったではないか」と語りつつ、同時に「外国人に評価されればすごい」と思い込む日本における権威主義について指摘する。

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