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『Who Gets What』『 感情と勘定の経済学』 『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』など

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Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 (日本経済新聞出版)
Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 (日本経済新聞出版)(日経BP/307ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
Alvin E. Roth●米スタンフォード大学教授。マッチング理論、マーケットデザインの世界的権威。研修医と病院、ドナーと患者とのマッチングプログラムのデザイン事例などで著名。2012年に「安定配分理論と市場設計の実践」の研究でノーベル経済学賞を受賞。

 

価格の調整なしで需給を一致させる方法とは

 

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

伝統的な経済学では、人々が欲する財やサービスの需要とその供給を一致させるのは価格だ。しかし、世の中には価格で調整できないものもある。高校の入学枠。皆よい学校に入学したいし、学校もよい生徒を入学させたい。しかし、おカネで入学の権利は買えないし、買うべきではないと考える人が多数だろう。あるいは腎臓病患者に移植するための臓器の配分。ブラックマーケットは存在するかもしれないが、腎臓売買が合法なのは世界中でイランだけだ。

学校選択や臓器移植、就職問題、パートナーの選択など、価格で調整できない場合、どのようにして需要と供給をマッチングさせるか。その研究が「マッチング理論」で、それを応用して新しいマーケットを作るのが「マーケットデザイン」だ。

著者は、マッチング理論、マーケットデザインの世界的権威で、2012年にノーベル経済学賞を受賞した。腎臓移植マッチングの理論的定式化を行い、数学的に解の存在を証明したうえで現実に制度を作り、複数の腎臓移植の同時手術の実現に貢献した。患者の家族など腎臓提供を望むドナーがいても、免疫の問題で移植ができない場合(需給の不一致)、ドナーと患者の腎臓が適合するように複数のペアの間で組み替えを行い、需給を一致させる。売買ではなく交換なら、人々は受け入れる。

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