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『イラク・アフガン戦争の真実』『IoTは日本企業への警告である』 『対米従属の原点 ペリーの白旗』など

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イラク・アフガン戦争の真実 ゲーツ元国防長官回顧録
イラク・アフガン戦争の真実 ゲーツ元国防長官回顧録(朝日新聞出版/624ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

Robert Gates●米ウィリアム・アンド・メアリー大学総長。1943年生まれ。米ジョージタウン大学で博士号(ロシア・ソビエト史)を取得。米国中央情報局(CIA)長官、米テキサスA&M大学学長などを経て、2006年から4年半にわたり米国防長官を務めた。

自分の“務め”を果たす「兵士たちの国防長官」

評者 東洋英和女学院大学教授 中岡 望

本のタイトルは重要である。それによって読者に与える印象が決まってしまうからだ。原著のタイトルは『Duty』である。「義務」とか「務め」を意味する。副題は「戦時のある長官の回顧録」である。邦題の『イラク・アフガン戦争の真実』とはかなり異なった印象を与える。もちろん、二つの戦争が本書の大きな主題であることは間違いないが、力点はまったく違ったところにある。

原題は「若者たちが“務め”を果たそうと戦って死んでいるというのに、私が自分の“務め”を果たさない法はない」という著者の思いを表現したものである。著者は「兵士たちの国防長官」と呼ばれた。議会の日和見主義、ホワイトハウスや国防総省の官僚主義と戦い、戦場で血を流す若い兵士のために全力を尽くす。4年半の国防長官の仕事で一貫していたのは「兵士に対する愛」だった。

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