まちどり・さとし●京都大学大学院法学研究科教授。1971年生まれ。京大法学部卒業。京大大学院法学研究科博士後期課程退学。京都大学博士(法学)。大阪大学大学院法学研究科助教授などを経る。著書に『〈代表〉と〈統治〉のアメリカ政治』『首相政治の制度分析』など。
相反する目的の実現にじっくりの構えも必要
評者 中央大学商学部教授 江口匡太
最近は政治家の言葉も存在も軽くなったといわれる。地方を中心に首長と議会の「仁義なき戦い」も珍しくなくなった。昔も緊張関係はあったが、それぞれが罵倒し合うようなことはあまりなかったのではないか。
しかし、それだけ強い言葉を使うのは民意の支持があるからであり、有権者が選挙で選択した結果である。文句があるなら選挙で落とせばいいのだ。
もちろん、次の選挙までの間、有権者はさまざまな政策すべてで白紙委任したわけではない。だが、どうやって民意を把握するのか、その術がない以上、このジレンマはいつまでも消えない。どうしても避けられないとわかっているジレンマを前に、いつまでも政治の貧困を嘆いていても仕方ないのではないか、その原因と処方箋を導くものがあるとしたらそれは何か、評者が本書を手に取った理由であり、多くの有権者の思いだろう。
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