黎明期のタブレットPC、北米市場に新製品が続々登場
日本でも発売当時はブームを巻き起こしたiPad。もっとも、一時の熱気はすっかり冷め、年末商戦となったいま、量販店のiPadコーナーは閑散としている。本家・米国でも、iPadは米国人の欲しいクリスマスプレゼントの1つによく挙げられるものの、iPadに部品を納入する業者の話によると、最初は爆発的に売れたが、今は伸び悩んでいるという。
しかし、iPadがハイテク機器市場にもたらした影響が無視できるわけではない。タブレットPC(スレート端末)という、これまで長い挑戦の歴史がありながら、鳴かず飛ばずだったジャンルを一気に確立したことは間違いないからだ。iPadの成功に触発され、新型タブレットが各社から続々と登場している。
すでにサムスンを始め、デル、華為(Huawei)等が市場に出している。2011年には、モトローラが、グーグルのタブレット向け次世代アンドロイド「ハニーコム(Honeycomb)」を搭載した端末を投入、東芝もマイクロソフトのウィンドウズ7とグーグルのOSを搭載した端末を出す。
12月7日には、スマートフォン「ブラックベリー」で知られるRIM(Research In Motion)のマイク・ラザリディス社長が、「UNIX系OSのQNXを採用し、マルチコアCPUを搭載したタブレット、“プレイブック”を第1四半期までに出す。売り込み先は企業や政府機関」と発表。QNXは自動車や、航空宇宙機器、医療器具等への組み込みシステム向けに多く利用されているOSだ。
プレイブックの特徴はセキュリティとネットワーク接続の信頼性が高く、アドビのエア、HTML5、JavaScript等に対応。「性能が低い前世代の第2世代携帯電話だけが普及している国もあるし、世界でブロードバンドを前提としたタブレットが普及するには時間がかかる」と、ラザリディス社長はいう。