東武東上線「和光市からふじみ野」に何があるのか 複々線でにぎわう駅、昔ながらの団地・商店街も

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朝霞台駅の乗降人員は11万9009人。これまた和光市駅に次ぐ東武鉄道全体でも第4位だ。つまり、多少大げさかもしれないが、今回取材した和光市からふじみ野駅までは、東武鉄道の屋台骨を支えているといってもいいくらいの区間なのである。

写真左から高松茂和光市駅長、楠元道明朝霞台駅長、勝田和久志木駅長、山崎昌夫ふじみ野駅長(撮影:鼠入昌史)

朝霞台駅長で同駅と朝霞駅を預かる楠元道明さんは言う。

「朝霞台の駅はほんとうにお客さまが多いですね。東武かJRさんか、どちらかが事故で停まると改札前にすごい人が滞留してしまうんですよ。ダイヤが通常通りでも、朝の時間帯だと乗り換えで走られる方もいて。お急ぎなのはわかりますが、危ないのでできれば控えていただければ……」

JR武蔵野線の北朝霞駅とは、ダイヤが乱れた時などにお互い連絡を取り合って対処する関係にある。いまはコロナ禍でなかなかできていないが、それ以前は現場の職員同士で交流を深める機会もあったという。

朝霞台に中心が移った

「お互い顔が見えたほうが、何かあった時の対応がうまくいきやすいですからね。そもそも朝霞台駅は武蔵野線が通ったことで1974年に開業してジャンクションになった駅で、比較的歴史も浅いんです。朝霞市の中心は隣の朝霞駅ですし。なので、以前は朝霞駅に駅長がいたのですが、利用者も増えてきて、1995年に駅長が朝霞台駅に移りました。それだけ急成長した駅、ということですね」(楠元さん)

そんなわけで朝霞台駅の陰に隠れる格好になってしまった朝霞駅だが、こちらも楠元さんの話すとおり朝霞市の玄関口たるターミナル。駅ビルや駅前の商店街などもにぎやかで、玄関口たる誇りを今も感じられる駅である。広場には、当地ゆかりの歌手・本田美奈子.の記念碑も建っている。ボタンを押すと『新世界』が流れて衆目を集めるという、ちょっと恥ずかしいやつだ。

また、陸上自衛隊朝霞駐屯地が近い駅でもあり、昨年の東京オリンピックでは射撃競技の会場にもなった。駅の改札内には、射撃競技の的をデザインした一角がある。

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