最も保守的なアプローチで投資していても、事実上すべての資産が売られる中で投資家に逃げ場はない。
株式と投資適格級債券の投資配分を60%と40%にする伝統的な60/40ポートフォリオは、年初来10%以上の損失を出し、2008年に起きた金融危機以来の不成績となるペースだ。当時と異なり、問題は成長懸念だけではない。成長停滞とインフレ持続の組み合わせによる低リターンあるいは損失は、しばらく続く恐れがある。
14日の市場はジレンマを浮き彫りにした。株式と債券、原油や他の商品がそろって下落した。これは1日だけの事象だが、長らく頼りにしていた相関関係が現在の環境では崩れ得ることを示した。
リサーチ・アフィリエーツの最高投資責任者、クリス・ブライトマン氏は「かつてのような投資リターンはしばらく期待できない。債券利回りも配当も益回りも起点が低く、将来のリターンも過去との比較で低くなるだろう」と述べた。
60/40モデルは新型コロナウイルス禍中の株価上昇で、一部の予想に反して好成績を上げた。しかし金融引き締めと物価上昇の中でこれは続かないとの見方が増えている。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの戦略的アドバイザリーソリューション部門バイスプレジデント、ニック・カニンガム氏は2000年代のいわゆる「失われた10年」に60/40ポートフォリオがもたらした年間リターンはわずか2.3%だったと、昨年10月に指摘。同社の米ポートフォリオ戦略責任者のイザベラ・ゴールデンバーグは「ここ10年の好リターンは、より現実的なリターンを期待する必要性を意味する」とし、世界の株式を含め「長期的な分散投資」が基本になるだろうと述べた。
原題:
Sell-Everything Market Sends 60/40 Funds on Worst Run Since 2008(抜粋)
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著者:Michael MacKenzie
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