韓国・新大統領が模索する日韓関係の「突破口」 高まる日本の期待、外交経験なき新トップの壁

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もちろん、野党勢力が大統領に対して融和的な姿勢を見せれば問題ないのだが、韓国政治における保守・進歩の対立は年々、激しさを増している。

元外相の尹炳世(ユン・ビョンセ)氏は「外交を国内政治対立や理念対立、大衆迎合の付属品にしてはならない」と訴えているが、大統領選の両陣営のすさまじい相互批判の後、すんなりと国民統合が実現するはずもない。

次の韓国の総選挙は2024年4月に予定されている。今後少なくとも2年近く、尹氏は議会で厳しい政権運営を強いられることになるだろう。

グローバルな対応が不可欠に

また、尹氏が日米韓同盟路線や対北強硬策を打ち出せば、中国や北朝鮮が反発し、韓国に対して経済的な嫌がらせやミサイル発射実験などを打ち出してくることも予想される。そうした圧力を前に尹政権がぶれない外交政策を維持できるかも重要になる。

より重要なことは、韓国が対外政策でグローバルな視点を持つことができるかどうかだ。韓国の歴代政権は北朝鮮の核・ミサイル開発などの問題を南北間のローカルな問題ととらえ、自力で解決しようという傾向が強かった。特に文政権は米韓同盟に否定的で、韓国の描いた独自の道筋で南北関係を改善しようとして失敗を重ねた。

北朝鮮の核・ミサイル問題は朝鮮半島に限定された問題ではない。日米中を含むグローバルな問題であり、国際社会が協調して対処しなければ容易には解決できない。

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