ルネサス、3度目のリストラだが明るい兆し 世界で戦える利益率目指す

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武蔵事業所(東京都小平市)はルネサスの設計・開発拠点の一つ

「変革プランで公表しているように、来年度まで構造改革は続く。その後の二ケタの営業利益率の実現に向けて着実に歩を進めている段階」(柴田英利・執行役員常務)

2015年3月期の中間決算発表とあわせて、国内の11カ所の設計・開発拠点を再編し、4カ所に集約するリストラ策を発表したルネサスエレクトロニクス。これに伴い、12月10日から19日にかけ1800名程度の早期退職優遇制度の募集を実施することも明らかにした。退職日は来年1月31日付。同社が早期退職を実施するのは、生産拠点の再編に伴う2月(応募人数696人)、設計・開発拠点の再編に伴う7月(同361人)に続き、今年に入って3度目となる。

人事処遇制度では成果主義を徹底させる

今回の設計・開発拠点の再編で閉鎖される事業所は、北伊丹(兵庫県伊丹市)、相模原(神奈川県相模原市)など計7カ所。15年2月以降、設計・開発は武蔵(東京都小平市)、高崎(群馬県高崎市)、中部支社(愛知県名古屋市)、本社(東京都千代田区)の4拠点に集約される。

新たに発表した早期退職優遇制度では、拠点再編で異動が困難となる社員に加え、国内の35歳以上の社員(関連子会社も含む)約1万4000人が応募対象となっている。ルネサスは『変革プラン』に伴って成果主義の徹底など新たな人事処遇制度を導入しており、このような施策に沿えないと考える社員の退職や再就職支援も目的としているという。

一方で、足元の業績は堅調に推移している。15年3月期の中間決算は、営業利益が505億円と前期比2.4倍に、四半期純利益は10年ぶりの黒字となる351億円となった。主軸の自動車用マイコンが好調に推移したほか、一部汎用半導体の生産終了にともなう作り貯めが利益に貢献。また、これまで実施してきた生産拠点の統廃合や人員削減などの構造改革費用が前期より縮小した一方で、その効果が発現した。

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