伊予灘ものがたり「2代目」登場、JR四国のこだわり 外部に頼らず製造、社員の自信につながった

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伊予灘ものがたりの運行開始から7年半。車両の老朽化が進み、運行に耐えられなくなりつつあった。まったく新しい観光列車を導入するという選択肢もあったが、JR四国が選んだのは伊予灘ものがたりの2代目車両を製造することだった。なにしろ7年半の平均乗車率は86.5%。コロナ禍前の2018〜2019年に限れば、平均乗車率は93.5%とほぼ完売という人気ぶり。7年半で延べ14万5500人が利用したが、リピーターも多かった。多くの人に親しまれてきたその名前を無駄にしない手はない。2代目のデザインを担当したのはもちろん松岡氏である。

2代目は鏡面仕上げの3両編成

2月21日、香川県多度津町の車両工場で2代目の伊予灘ものがたりが報道陣に公開された。

2代目「伊予灘ものがたり」の前で報道陣の質問に答える西牧世博社長(記者撮影)
初代に続き2代目もデザインを手掛けた松岡哲也・デザインプロジェクト担当室長(記者撮影)

今回はキハ47形ではなく特急型車両であるキハ185系をベースに、初代の雰囲気を残すようにデザインした。大正から昭和初期にかけての「レトロモダン」と呼ばれるデザインを踏襲している。

外観の茜色と黄金色のカラーリングは確かに初代とよく似ているが、車体がなんとなく輝いているように感じた。「当社初のメタリック塗装です」と西牧世博社長が話す。より夕陽に映えることを狙ったという。

初代は2両編成だったが、2代目は3両編成。この新たな車両には、1両の半分を使ったグリーン個室が設けられた。定員は8人。「この贅沢な空間で誕生日や結婚式など特別な1日をすごしてほしい」(西牧社長)。海側の窓に面した大きなテーブルは鏡面仕上げになっていて、外の景色が車内に映し込まれるという楽しさがあふれる。

1号車と2号車の内装はカラーリングも素材も初代を踏襲するが、報道陣といっしょに車内に乗り込んだアテンダントたちが、「いすが大きくなっている」と驚いていた。1〜2号車の定員は初代と同じ50人だが、初代では2号車にあったカウンターを3号車に移し、スペースに余裕ができたためだ。

次ページ今回は製造面も自社グループが中心に
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