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インスタの「芸能人なりすまし」は犯罪? 「アカウント作成」と「投稿」には大きな差

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「ちょっと見方を変えて考えると、SNSに他人の名前のアカウントをつくることは、不正な記録をサーバー上に作ったと言えるかもしれません。仮にそうした行為と言うことができれば、刑法161条の2第1項の私電磁的記録不正作出罪に問われる可能性があります。

ただし、この犯罪で問題になる『記録』とは、『法的な権利義務や社会生活を営む上で重要な事実についての記録』のことです」

SNSのアカウントは、どうだろうか?

「過去の裁判例では、企業のサーバーに保存されていた顧客データベースのファイルを改ざんしたことが、本罪にあたるとされていました。しかし、ざっと調べた限りですが、SNSのアカウントについてはまだ判断がなされていないようです。

他人のSNSのアカウントを勝手に作ることが、『法的な権利義務や社会生活を営む上で重要な事実についての記録』を作ったといえるかというと、現時点でそう判断するのは、難しいように思えます。

結局、刑法的には、他人のSNSアカウントを作っただけでは処罰される可能性は低いでしょう」

名誉を害するような投稿をしたら犯罪

「次に、(2)『作ったアカウントで投稿すること』について考えてみましょう。

アカウントを作っただけにとどまらず、有名人の『なりすまし』アカウントを使って、その有名人の名誉を傷つけるような投稿をしたりすれば、その行為は名誉毀損にあたります。

刑事上は名誉毀損罪に問われる可能性がありますし、民事上では、不法行為に基づく損害賠償を請求される可能性があります。

また、有名人の写真を無断利用すれば、それは肖像権などの権利侵害になります。この場合も、不法行為に基づく損害賠償請求をされる可能性があります」

西口弁護士はこのように指摘していた。面白半分で偽アカウントを作ると、いつか手痛いしっぺ返しを受けることになるかもしれない。

西口 竜司(にしぐち・りゅうじ)弁護士
2007年弁護士登録。知財、経済法事件など企業法務案件が専門だが、高齢者事案を中心に一般民事事件も広く取り扱っている。日本商標協会会員。辰已法律研究所専任講師。
事務所名:神戸マリン綜合法律事務所

 

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