最初は酷評「ビンドゥンドゥン」異常ブームの裏側 五輪開幕が迫っても当初は売れ行きは伸びず
工場の責任者は「新京報」など現地メディアに「1日の最大生産量4000に対し、100万の受注がたまっており、納品までに2~3カ月かかる」と語り、SNSで「商品を融通してくれという電話、メッセージ、取材依頼がやまず、3日間寝ていない」「自分や親戚の子どもの分すら確保できない」と釈明した。
商品が大ヒットすると必ず湧いて出るのが、転売ヤーと偽物だ。
辻岡アナ効果か、メルカリでは2月初旬から定価の数倍でグッズが出品されている。中国では転売を規制されているが、フリマサイトでは商品名の一部を伏せたり英語を交ぜたりして規制を逃れたグッズが、定価の5~10倍で出回っている。
中国では有名ブランドの商標横取りも横行し、2021年の東京五輪で金メダルを獲得したスケートボードの「堀米雄斗」も、同年7月末に25類(アパレル、靴、帽子など)で商標申請されていた。北京オリパラ大会組織委員会はその点は先手を打っており、2019年9月にビンドゥンドゥンの中国語名「冰墩墩」、シュエロンロンの中国名「雪容融」の商標を国際45分類で申請、12月に登録済みだ。
知的財産権保護への取り組みをアピールしたい中国政府の意を受けてか、共産党中央宣伝部著作権管理局は大会中にコピー商品の取り締まりを強化し、2月14日にビンドゥンドゥンとシュエロンロンの著作権を侵害した個人に罰金4万元(約70万円)と懲役1年の刑罰を科したと発表した。
商標は700近く申請されている
ただし、「銭墩墩」「猪墩墩」など、「墩墩(dundun)」を使用した商標は700近く申請され、うち半数が既に登録されている。辻岡アナが日本の番組で名付けられた「義ドゥンドゥン」も既に申請されていることが十分に考えられる。
フィギュアやキーホルダーだけでなく高価な記念硬貨も予約開始とともに「秒」で品切れになる。香港の企業はビンドゥンドゥンの公式NFT(非代替性トークン)を1セット99ドル(約1万1000円)、500セット限定で売り出し、こちらも即完売した。
販売ライセンスを持つ店舗でも品切れが続き、一部では代金先払いによる予約を受け付けているが、商品が届くのは3月以降だという。
2021年の東京五輪のマスコット「ミライトワ」「ソメイティ」のTシャツが近所の量販店で150円で販売されているのを最近目撃した筆者は、大会終了後もマスコット人気が続くのか若干懐疑的だが、北京の大会組織委員会はグッズ製造を6月まで続けると表明している。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら