【産業天気図・コンビニエンスストア】店舗オペレーション改善で足腰鍛えられるも、たばこ増税の打撃が懸念材料。終始「曇り」へ
10年10月~11年3月 | 11年4月~9月 |
コンビニエンスストア業界は10月から1年通じて、晴れに近い「曇り」という微妙な景況感になりそうだ。大手各社はローコスト・オペレーションの改善を進めているが、たばこ増税による駆け込み需要の反動減など懸念材料が残る。
コンビニ業界は記録的な猛暑で飲料やファストフードなどの好採算品が売れ、夏以降は既存店前年比がようやく横ばい圏に回復してきている。さらに9月は、たばこ増税前の駆け込み需要が見込めるため前年比の大幅プラスが見込まれるが、10月、11月はその反動減の影響から低調な推移となりそう。
ただ、その反動減をどれだけ抑えられるのかが各コンビニの腕の見せどころ。弁当・総菜、デザート類などを中心に、既存店活性化に向けた施策が注目される。また大手各社は調達仕入れの改善、家賃や人件費の見直しを推進しており、営業増益が見込める。環境は曇りだが増益が見込める点では晴れといえる。
セブン&アイ・ホールディングスのセブン-イレブン・ジャパンはカテゴリーごとにPB(セブンプレミアム)とNB(ナショナルブランド)の商品ラインナップを見直しを進めており、主婦層など女性客の利用が高まっている。ローソンは一部店舗に店内調理(できたて弁当・総菜)を導入しているほか、出店を強化している生鮮コンビニ業態では中高年齢層を主なターゲットとしている。ファミリーマートも9月以降、50代以上の中高年層をターゲットとした新商品を投入するなど、顧客層拡大に本腰を入れ始めた。
コンビニは国内市場の頭打ち感が続くなか、20~40代の男性という主要顧客層だけでなく新しい顧客層を開拓することが急務。弁当類はスーパーや低価格の外食チェーンとの競争も厳しくなっており、コンビニならではの付加価値をつけた商品やサービスを投入できるかどうかが、勝ち抜くうえでの重要なポイントとなりそうだ。
(高橋 志津子=東洋経済オンライン)
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